さくさくブログ

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私がポイントカードを利用しない理由

こんにちは。今日は個人的に、ポイント制を導入しているサービスを積極的に利用しない理由とその背景について意見したいと思います。

私は「ポイントカードお作りいたしますか?」には余程のファンでない限りは「結構です」と答えています。理由はシンプルで、自分の選択肢を狭めたくないからです。

最近、こんな記事が経済系のニュースを賑わせました。

アマゾンに立ち入り検査 公取委、独禁法違反の疑い :日本経済新聞

Amazon独占禁止法に違反しているのではないかという事で公正取引委員会が立入検査をしたインパクトのあるニュースでした。

私はここに消費者側としても注視するべき問題を垣間見た気がします。

Amazonは素晴らしいサービスを提供する優れた企業です。こんな記事を書きながら誤解を恐れず言えば私もファンです。Amazonの業態を定義するのならネットの小売企業でしょう。そして彼らはアマゾンプライムと言う囲い込みが非常に巧みです。送料無料だけではなく、映画や音楽、本の利用し放題、そして次はゲームまでもこのラインナップに加えていくそうです。このアマゾンプライムにおける彼らの戦略は一貫しています。全ては本業の小売業での収益を強化する目的で顧客をAmazonから離れられないようにしているのです。先日、プライム・ビデオが如何に本業に貢献しているかの記事も出ていました。

アマゾン「プライム・ビデオ」、判明した実態 | ロイター | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

今回のニュースは、この圧倒的な引力を背景にAmazon仕入先のメーカーへ「協力金」を求めたとされ、その点についての立入検査だとされています。

もちろん顧客の囲い込みはどの企業も行う一般的な戦略です。しかし一方で圧倒的に顧客を囲い込む(=シェアを取る)ことで下請け等に対して優位な立場で値下げや金銭の支払いを要求するのは独占禁止法に抵触する可能性がありますよ。と言うのが今回の問題点です。

私はこのニュースを見て、「メーカー側の不利益」と「消費者側の不利益」を同時に考えるべきだと思いました。

第一義的にはやはり「メーカー側の不利益」。メーカーが設定している卸価格をあの手この手で実質的に下げさせてAmazonの利益を高める行為はメーカーの弱体化に繋がり健全な競争環境が損なわれる可能性が出てきます。メーカーはメーカーの卸価格を設定する権利があり、会社を存続させていく為に必要な利益なども計算された上での価格に当然しています。しかしその利益を一枚一枚木の皮を剥がすように取っていくのはいずれメーカーの体力をも削ぎ落とし、経営状況の悪化による品質やサービスの低下、または逆説的に販売価格の値上げに繋がることもあり得ます。

しかし最も重要な点はその結果、「消費者側の不利益」が発生するという事です。上記のメーカーの惨状は即、消費者への影響が出てきます。しかも消費者がAmazonでしか購入しなくなると街の小売店もいずれ消滅していくでしょう。その先にはどんな未来があるでしょうか。私はいよいよ消費者へAmazonが「うちでしか買えないものは安くする必要ないよね。値上げさせてもらうね。」となり得ると考えています。それは杞憂でしょうか。

スケールイズエブリシング(規模は正義)で突き進んだ結果、不健全な世の中が私達を待っているのではと心配になってしまうので、私は普段から一つのお店で購入するきっかけになってしまうポイント制のサービスを基本的には利用せず幅広くお店を利用するようにしています。異なる店で買い物をするようにしていると、新しい発見もあったり、自分の中に選択肢をいくつか持っておくことができます。それがほんの僅かなお得さを求めるあまり一部の店でしか買えなくなる(買えなくする)と、結局不便になってしまう気がします。

企業は囲い込みを仕掛けてきますが、選択権は私達消費者にあるべきだと私は考えます。